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AIのメリット・デメリットとは?
あるなしクイズ漫才で例えてみました

#AI導入

#AI活用

AIにあって〇〇にはないものとは?

企業のAI導入では、否定的な面ばかりを強調する人がいます。こうした反対派が主張しがちな意見について、漫才風にご紹介します。漫才のツッコミ(回答)担当のコメントを社内で起こる反対意見として学びながら、記事の後半では反対派に対する説得材料を解説しています。

※そもそもAIとは何か?

AIの概要や分類・関連技術についてまとめた「0から学ぶAIの基礎」はこちらからダウンロード可能です。

Aさん

あるなしクイズを考えました。

Bさん

緑はあるけど、赤はない。子供はあるけど、大人はない。昭和はあるけど、平成はない。正解は『祝日』みたいなクイズね。
やってみよう。

Aさん

AIにはあるけど、専門家にはない。

Bさん

わかりました、『知ったかぶり』です。AIはわからないことでもそれっぽい答えでごまかすけど、専門家はわからないことは専門外だから答えられないと言うよ。だから『知ったかぶり』。

ポイント

最近話題の質問に答えるAI「ChatGPT」でも間違えることがあります。ここでの問題は、AIが間違った答えを説得力のある文章で回答するため、人間が「正しい」と誤解する懸念です。業務においては人間が正誤の適切な判断をしながら、継続的にAIにデータを学習させる必要があります。
AIは万能ではなく正確さに課題がある場合もあるので、一定の手間がかかると覚えておきましょう。

Aさん

AIにはあるけど、SDGsにはない。

Bさん

わかりました、『格差』です。AIは使える人と使えない人で、利便性や生産性で格差が生まれる。デジタルが苦手な人は便利なAIを使えない。そうやってAIのせいで格差が生まれるけど、SDGsは格差のない世界を目指しているから。

ポイント

スマホやパソコンからAIを活用するには、知識(リテラシー)が必要です。そのため、使える人と使えない人の間で格差の拡大が懸念されます。特に、AIにおいては短期間で急激に普及・高性能化するため、デジタルが苦手な方などに向けた教育体制などのサポートを整えましょう。

Aさん

AIにはないけど、下町にはある。

Bさん

わかりました、『人情』です。AIには人間の優しい気持ちが入ってないから、偏った答えを出しちゃう。でも下町は人情があるから、口は悪くても本当は優しいんだよ。

ポイント

AIの精度は学習したデータによって変わります。もしも、差別や偏見などが含まれたデータを学習すると、間違った回答を出してしまいます。また、学習用データの準備において一定の精度が出るまでは、問題のあるデータを人間が除去する負担もあります。

Aさん

AIにはあるけど、カップラーメンにはない。

Bさん

わかりました、『手間』です。AIを使うのはものすごく大変。お金も時間もかかるし、人材とかも必要。でも、カップラーメンはお湯入れて3分待つだけ。手間はかからないし、誰でも作れる。

ポイント

AIが成果を出すには、時間・手間・人材が必要です。さらに、コストに対する成果も不明瞭です。こうした不特定要素の大きさから、AIの利用を躊躇する事例が見受けられます。しかし、エンジニア以外でも手軽にAIを開発できるツールや、IT企業が開発した既存のAIを利用するなど、手間は削減されつつあります。

Aさん

AIにはあるけど、サスペンスドラマにはない。

Bさん

わかりました、『もやもや』です。AIはどんな処理で正解を出したのか、教えてくれない。全部を秘密にしている。
でも、サスペンスドラマは殺人の動機からトリックまで解説するから、もやもやが一切ない。なんなら、崖っぷちで全部喋ってくれるから、答え合わせもバッチリだよ。

ポイント

AIが正解を導き出した根拠やプロセスに対して、説明が難しいという問題があります。仕組みなどが論文で公開される場合もありますが、正解の根拠とは言い難いです。一方で、説明可能なAIにおける研究も進んでいます。

Aさん

AIにはあるけど、神木隆之介にはない。

Bさん

わかりました、『不祥事』です。AIはとにかく不祥事を起こして炎上する。しかも誰が責任をとるかで、メチャクチャ揉める。でも、神木隆之介は絶対に不祥事を起こさない。子役出身でずっと芸能界にいるのに、全然問題を起こしてない。謝罪会見とか無縁だから。

ポイント

AIが問題を起こした場合に、責任の所在を明確にすることは困難です。開発側・学習用データ・運用側の問題・偶発的な事故・意図的な操作など、多数の要因が複雑に絡み合うためです。こうした責任の複雑化を嫌い、AI導入を避ける場合もありますが、問題を明確化する技術などの対策も進んでいます。

Aさん

正解する気ないですね。

Bさん

正解なんてどうでもいいんだよ!!
AIに対して、色々と言わせてくれよ!

Aさん

でも、本当はAI導入したいんでしょ?

Bさん

正解!ありがとうございました。

AI導入時にやりがちな失敗例と対策についてまとめた記事はこちらから。

AIのメリット・デメリットをまとめてみました

このやりとりで説明されたのは、実は「AIのデメリット」です。会社でAIを導入することになっても、社内からはBの人のようにAIに対するデメリットがどんどん挙げられます。

ここで、AIのメリット・デメリットについて解説します。

不完全性

完全に正しい精度100%のAIは不可能です。人間による確認を含めて、なんらかの監視が必要になります。

実はメリットも

業務効率化として人間の作業支援を目的とすれば、十分に活用できます。ある程度正しい回答をAIが調べて人間が修正する方が、1から人間が作業するよりずっと負荷を軽減できます。

格差がある

AIを使いこなすにはトレーニングや教育などが必要で、手間を嫌って躊躇する場合もあります。

実はメリットも

利用者の使い勝手においては、近年、スマホでよく使われるアプリと連携してAIを使えるサービスも登場しています(例:スマホアプリからAIで画像を生成する「AIピカソ」)。このように敷居を下げると、より多くの人に利用してもらえます。また、業務支援として多くの人が利用することで、各人によるばらつきを減らして成果を平準化できます。

倫理問題

AIが人間社会における倫理やマナーを養うには、学習用に正しいデータを準備したり、回答のチェックや修正作業を繰り返し行うなどの手間がかかります。

実はメリットも

AIの間違いと修正を通して、差別や偏見などの問題が浮き彫りになる可能性もあります。従来では気付かなかった問題を解決しながら、よりよい環境づくりを進められます。

手間がかかる

AIを利用するにあたって、ITエンジニアによるプログラミングなどの開発が必要です。また、専用機器を導入したり、多数あるサービスの中から選定して既存のシステムと連携、構築し直したりと複雑な作業が求められます。

実はメリットも

初心者でも扱いやすい専用ツールも増えており、より手軽にAIの導入・開発が実現できます。少ないコストで導入して成果を出せれば、生産性向上・効率化・コスト削減も見込めるでしょう。

ブラックボックス

AIが出力した回答は、根拠や理由が不明瞭です。正解や間違いとなる理由が明確にならないと、利用者側の人間が納得できずに不信感を持つ原因となります。

実はメリットも

人間が行う作業でも、結果に明確な理由を出せない場合はあります。こうした属人化する業務を見直すきっかけにして、技能継承・ノウハウ・知見の共有につなげましょう。

不祥事

AIの誤った判断によって予想外の事態が発生し、責任問題に発展することもあります。このようなリスクに対して「AIによる間違い」だけでは、説明責任を果たせないでしょう。

実はメリットも

人間もAIも問題を起こさないという保証はありません。そこで業務範囲や責任について見直すことで、改めて人間とAIの両面において不祥事を防いだり、問題が起こった際の説明に必要な調査がわかってきます。

なぜこのような形で、AIのデメリットを強調したのでしょうか。

企業におけるAI導入では、デメリットや問題に加え、プロジェクトを推進する際の懸念を強調する人がいるでしょう。そこで想定されるデメリットを把握したうえで、問題を解消しながらメリットに変えていくことで、AIが確実に成果を出す環境を作れます。むしろデメリットから考えることで、検討がないままAIを導入して失敗することを未然に防ぐ効果もあるでしょう。
読者の皆様も、AIに対して、偏見や古い印象を抱いたままではありませんか?AIも常に進化しており、かつての常識からアップデートされています。

Aさん

ソニーネットワークコミュニケーションズではお客様の相方になって、一緒にAIを使いこなすネタを考えます。ぜひご相談ください。

Bさん

どうもありがとうございました。

おしまい

この記事の著者

マスクド・アナライズ

ITスタートアップ社員として、AIやデータサイエンスに関するSNS上の情報発信において注目を集める。同社退職後は独立し、DXの推進、人材育成、イベント登壇、ニュースサイト向けの記事や書籍の執筆などで活動。現場目線による辛辣かつ鋭い語り口で、存在感を発揮している。
著書に「データ分析の大学」「AI・データ分析プロジェクトのすべて」「これからのデータサイエンスビジネス」がある。

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