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AIの課題・問題・大問題!
AI活用の過去の失敗例と最近の成功例をご紹介

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AIにおける課題と問題とは?

「AIをどこで使うべきかわからない」「AIを導入しても役に立たない」という悩みを抱える企業や担当者は多くいます。以前から続くAIブームですが、2023年でもこうした懸念は後を絶ちませんし、失敗によってAIに対する不信感だけが残った事例もあるでしょう。AIが普及しているものの、まだまだ課題と問題が多いのが実情です。そこで、AIが抱える課題と問題を掘り下げてみます。

AIの課題

まず、AIの課題について考えます。本記事における課題の意味は「解決すべきもの」と定義します。
解決すべき点として挙がるのは「AIを何のために使うのか」「どうやって使うのか」の用途を明確にすることです。AIのイメージとして何でもできる印象がありますが、実際に使える用途は限られます。しかし、自分の会社や仕事において、どんなことに役立つのかはわかりません。そこで、手間がかかる業務やAIで自動化できそうな業務という目的だけを優先してAIを導入しても、AIに最適な業務でなければ成果は出ません。まず、AI導入の前段階まで遡って、「AIで何をすべきか?」をきちんと考えてみましょう。

ゴールに行きたいのに、壁という問題があり、課題としてどうやって(正解ははしご)乗り越えるか?というイメージ

AIの問題

次にAIの問題を掘り下げます。問題とは「不満や不備の要因」と定義します。
AIにおける問題として、「費用対効果がわからない」が挙がります。AIが稼働して成果を出すまでの費用と、得られる成果が見積もりにくい懸念があるためです。

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「精度が保証されない」は、継続的にAIを学習させないと新たな問題に対応できないといった問題がおきます。
「導入や活用でデータに依存する」は、学習させるデータによっては偏りがあるため、権利や法律に抵触するリスクに注意が必要です。

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「意図しない動作の発生」は、AIが人間に予測できない動作を起こす可能性です。このような手間と費用をかけて導入する以上、何らかの成果を出せるという確証が必要です。これが工場の機械であれば、カタログ上の数値で動いて確実に費用と成果を計算できます。しかし、AIではある程度の手間と予算をかけて試作を重ねなければ成果が見えてきませんし、最悪の場合は何の成果も得られません。

※そもそもAIとは何か?

AIの概要や分類・関連技術についてまとめた「0から学ぶAIの基礎」はこちらからダウンロード可能です。

具体的な事例と解説

ここでより具体的な事例を元に解説しましょう。
一昔前にAIを搭載した白い人型ロボットが、携帯電話販売店などにありました。愛らしい外見や会話のやり取りを覚えている人も多いでしょう。ここで「課題」と「問題」が出てきます。そもそも人型ロボットを導入することで、解決すべき課題は何でしょうか。忙しい店員に代わって商品説明や手続きができれば助かりますが、当時の技術力では限界がありました。そのため費用に対して成果が見込めない「問題」が発生して、姿を消していきました。かろうじて回転寿司店の受付係として利用されたものの、いまやタッチパネルに取って代わられています。そして2020年には生産停止となりました。

この人型ロボットにおける失敗は、AI導入と同じ面があります。解決すべき「課題」においても、不満や不満の要因である「問題」においても、人型ロボットは合致しなかったのです。目的や性能に合わせた用途であれば結果は変わっていたでしょう。

代わりに問題を解決してくれたのは同じロボットでも、ネコ型ロボットです。2023年のファミリーレストランで、調理場から客席まで料理を運ぶネコ型の配膳ロボットを見かける機会が増えました。こちらは既に3000台が導入されており、現場での人手不足の解決策として貢献しています。前述の色々な機能がある人型ロボットに対して、ネコ型ロボットは移動して料理を運ぶだけです。しかし、能力が劣るわけではなく、用途を限定することで確実に動作し、人間よりも安い時給で働きます。正しい目的のために正しいものを正しく使えば成功するのです。

人型ロボットとネコ型配膳ロボットの比較表

人型ロボット ネコ型ロボット
見た目 人型(全体的に) ネコ型(顔だけ)
会話パターン 豊富(53万通り) 限定
感情認識 (可能) ×(不可能)
顔認識 (可能) ×(不可能)
英語・中国語対応 (可能) ×(不可能)
ノイズキャンセラー (可能) ×(不可能)
(あり) ×(なし)
野球の応援 (可能) ×(不可能)
料理の配膳 ×(不可能) (可能)
時給※ 約101円 約123円
導入効果 (不明) (あり)

※5年契約における導入費やサポート料など諸経費込みで、月30日かつ1日12時間稼働した場合。

AIもロボットも、失敗した理由が製品にあるとは限りません。どんなものでも得意と不得意があります。その能力を活かすも殺すも利用する人間次第です。AI導入で失敗したら、なぜ人間が便利なAIを活かせなかったのか理由を探るべきです。まずはそこからです。

解決策の提示とAIの定着に必要なこと

2023年に求められることは、ビジネスでAIを使いこなす能力です。AIの得意なことや苦手なことを理解したうえで、活躍できる場面を用意しましょう。得意な点は大量のデータを元に新たなものを生成したり、間違いなどを判別することです。さらに工場や倉庫といった特定の場所で、似た作業を繰り返すことも得意です。人間は長時間作業をすると疲れてきますし、間違いもおこすでしょう。しかし、AIならば24時間作業をしても疲れ知らずです。
重要なのは人間が業務の中でAIが得意な仕事を見つけるということです。

AIが得意な業務(飲食店編)

店長
(管理者)
出勤シフトの作成、天候などによる売上変動の予測
厨房
注文の予測、食材や備品の在庫管理と発注の簡素化
ホール
配膳と片付けを行う時間の予測・来店者数と混雑の予測

こうしたAIが得意な業務は、まだまだAIが自動で判断したり、ネットで調べてわかるものではありません。だからこそ人間がAIにおける技術・用途・強みについて、理解を深める必要があるのです。「何をするべきか」という課題と、「何が要因か」という問題を人間が把握しなければ、AIに良い仕事をさせられません。AIに過度な期待はせず、まずは読者の皆様がAIに対する先生になってください。

まとめ

とはいえ、AIについて1から学ぶのも大変ですし、AIに適した業務を探すのも大変です。
まずは、AIに関する情報を収集し、自社への導入にメリットがありそうなツールを探してみてください。

この記事の著者

マスクド・アナライズ

ITスタートアップ社員として、AIやデータサイエンスに関するSNS上の情報発信において注目を集める。同社退職後は独立し、DXの推進、人材育成、イベント登壇、ニュースサイト向けの記事や書籍の執筆などで活動。現場目線による辛辣かつ鋭い語り口で、存在感を発揮している。
著書に「データ分析の大学」「AI・データ分析プロジェクトのすべて」「これからのデータサイエンスビジネス」がある。

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