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初めての営業DX!
成功のポイントを事例とともに解説

#営業DX​

「営業DXに取り組んだけどなかなか成果が見えない」
「営業組織を強化したいけどどこから手を付けたらいいか?」
「営業活動を見える化していきたい」

営業部門は、会社の成長に直結しているがゆえに、社会の変化や業界の変化、顧客志向の変化に合わせて、絶え間なく改善をしていく必要があります。
この記事では、営業部門のデジタルを活用した改善を目的、内容、方法の順番で解説をしています。読んでいただければ、営業DXのイメージが具体化すると思います。
会社の業績アップにつながる営業DXの全容をぜひご一読ください。

営業部門は必ずDXを進めるべき!その3つの理由

非対面・非接触の時代となり、営業活動時代がコロナ以降で大きく様変わりしてきました。デジタルを活用した営業体制への移行が進みだしています。
そんな中ですが、まだまだ営業DXで満足を得られる推進ができている会社は、少ないという調査結果もでています。

引用:営業DX実態調査結果から見えた3つの成功要因別ウィンドウで表示します | 「営業DXの推進進捗の進捗状況」

これまでの一般的な営業は、「効率よりも行動力」「対面で信頼関係を築く」などの動いてこそ営業!という意識がありました。もちろん行動力は大事なのですが、ただやみくもに動くのではなく『勘や経験にとらわれない営業活動による目標達成』が今の時代に求められるようになりました。
そのための方法として最適なのが、営業のDXです。

まずは、営業DXを推進するためのメリットを3つほど紹介していきます。

目標とのギャップをリアルタイムで知れる

営業活動は、目標と成果をいかに埋めていき、成果が目標値をいかに上回っていくかといえます。この目標と成果のギャップを埋めるために、日々改善が求められるのですが、営業DXによってこのギャップを効率的にリアルタイムで把握することが可能です。
情報をいち早くキャッチアップし、改善、成果を検証するというサイクルが1日単位なのか1週間単位なのか、長い目で見れば見るほど、営業組織としての差が大きくなっていきます。
営業DXのメリットは、ギャップをリアルタイムで把握し、改善スピードを上げることに寄与できる点です。

顧客の状態を可視化する

潜在顧客、見込み客、新規顧客、リピート客、ロイヤルカスタマーなど、一言に顧客といっても、様々な状態があります。
問い合わせを1度した顧客なのか、商談まで進んでいる顧客なのか。営業担当がどの状態にある顧客を多く抱えているのか。など、それを可視化して、適切な手を打っていくことができるのが営業DXです。
商談を多く抱えている営業担当がいれば、そのサポートをしたり、見積もりや請求を溜めている営業担当がいれば、アラートを入れてみたりと顧客を可視化することで、円滑に営業活動ができる組織強化へとつながります。

働き方を自由にする

重いパソコンとたくさんの営業資料を持って、顧客先に足繁く足を運んだ後は、夕方以降の帰社後に事務作業で残業時間が増加。といった営業スタイルになってしまっている会社も多いのではないでしょうか。例えば、紙の資料をデジタル化(PDF化)したり、外回りの合間でもデータ入力や見積書などの作成が可能な仕組みを導入したりするだけで生産性があがり、働き方が変わってきます。
直行直帰だけではなく、オンライン商談などを活用していけば、営業部門の働き方を大きく変えることが可能となるのが、営業DXになります。

営業DXによって売上が上がっている成功事例

製薬会社

私がDXのコンサルティングをしている製薬会社では、営業部門が全国に広がっています。それらの活動をスマートフォン1台でこなせるよう大きく変革しました。
業務連絡から営業データの入力、見積もりなどの発行までほぼすべての営業プロセスを統合して支給しているスマホ1台に集約したことにより、外回り中でも仕事ができますし、オンライン商談ツールと連動することで、家にいても商談が可能となり、生産性が向上したことで、成績もアップしました。さらに残業時間の削減も可能となり、会社として経営状況を大幅に改善することができるようになりました。

不動産業

リモート内見の実現し、さらに契約までをすべてオンラインで完結できるようにした不動産サービスの事例になります。
コロナによって人の移動が減り、賃貸物件を紹介する不動産業もダメージを受けていました。そこで、この会社はオンラインでの物件紹介を本格的に進めることになりました。
まずは、リモートでつないで物件の内見を進めて、その後の契約書のやり取りもオンラインで実施。業務をスムーズに進めるための新たなマニュアルを作り共有することで、上京する方に向けてスムーズな商談を可能としました。
その結果、2020年は落ち込んでいた売上が、2021年の春の繁忙期で前年並に回復。さらに2021年は、単月でコロナ前よりも売上がアップすることができました。

営業DXを実現するためのツール

では、営業DXをどのように進めていけばよいか、どんな効果があるのかを紹介していきます。

SFA

SFAとは「Sales Force Automation」の略語で「営業支援システム」と訳すことができます。SFAツールでは、主に下記の情報管理が可能です。

  • 顧客のステータスや営業度合いを一元管理および共有
  • 営業担当の行動管理およびサポート
  • 売上管理および売上予測
  • 営業データの蓄積および分析
  • 顧客へのメール配信

主に営業プロセスの可視化が目的のツールで、営業担当一人ひとりのスキルや経験で差が出る成績をできるだけ少なくし、属人化ではなく営業チームで売上を上げていくことを目的としているツールになります。
特にデータ分析機能では、売上見込みを元に「目標に対してどれだけ足りていないのか」「大口の案件はどれぐらいあるか」などが可視化されるため、失注リスクを軽減したり、フォロー体制の構築などの次の一手につなげたりすることも可能です。

インバウンドセールスツール

コロナの営業で外回りがしづらくなり、導入が進んでいるのがインバウンドセールスツールになります。
これまでのセールスは、基本的には外回りをして新規顧客にあたっていく営業ですが、今はそれが迷惑行為として認知されても仕方のない時代になり、いち早く対策を打つ必要があります。
インバウンドセールスは、インターネットを活用して問い合わせを受ける体制を構築し、商談や成約につなげる手法です。
上記のSFAを活用することも可能ですが、マーケティングオートメーション(MA)ツールと呼ばれるものがこのインバウンドセールスをより成功するためのツールとしておすすめになります。

営業をサポートするツール

営業DXは、何も営業担当の変革だけではありません。いわゆる営業事務と呼ばれる分野になるのですが、むしろこちらのほうが営業DXを進めるうえではやりやすいこともあるので、営業をサポートする技術を紹介していきます。

発注書 / 見積書 / 請求書発行のクラウド化

経理部がどのようなシステムを使っているかにもよりますが、見積書や発注書、請求書の発行などは、すべて一元的にネット環境があればすぐにできるシステムは多数揃っています。
営業担当から指示を受け、営業事務の方がシステムで作成し、それを営業担当が顧客先ですぐに提出するといったことも商談中に可能となります。

名刺管理

sansanに代表される名刺管理も営業DXとなります。名刺管理を徹底することで、新商品やイベントや展示会の案内も可能となりますし、また営業担当同士で、同じ顧客にアタックをしていたといった事態も避けることができます。
名刺情報と商談内容を紐付けておくことで、断られた相手でも再度期間を空けてアタックする際に活用することも可能となります。

書類の電子共有化

カタログやパンフレットなどの紙をすべて電子化することで、営業効率を上げることも可能です。書類を電子管理することで、忘れることもなくなりますし、相手先に送った送らないといったトラブルを防ぐこともできます。
また、電子化して共有しておくことで、引き継ぎや担当者が休んだ場合でも進捗が見えて対応をスムーズに行うことが可能です。

e-ラーニングの活用

営業研修などを気軽にネットで受けることができる時代になっています。人を育てる際に、今までは人を集めて説明していましたが、e-ラーニングならネット環境を活用して進めることが可能です。
例えば、新商品の勉強会や社内トップの営業担当による講座など、eラーニングを活用して営業部全体の底上げを図ることが可能です。

営業部門のDX化するためのステップ

具体的に営業DXを進めるためのステップを紹介していきます。

現在の課題を洗い出す

まずは、営業部門の課題を洗い出すところから始めていきます。

  • リードが獲得できていない
  • 顧客の状態が分かっていない
  • 営業担当の能力にばらつきがある
  • 商談の成功率を上げたい

など、ここでは大小関わらず多くの課題を集めることがポイントです。
営業部全体で考えられること、営業担当個人で考えられることを羅列していきましょう。

営業をDX化することで実現したいことの明確化

課題を洗い出しながら、営業組織の未来についても考えていきます。

  • どんな営業組織にしたいのか
  • 売上を拡大するためにどういうことができるのか
  • 属人化された営業スタイルをやめたい

など、実現したい未来の姿を描いていきます。ここでは、経営陣も交えて一緒に考えていくことがいいでしょう。
例えば、ここで課題に挙げた属人化の営業スタイルをやめたい場合には、"eラーニングの活用"などが挙げられます。
大事なのは、どんな小さな課題でもここで挙げておくことです。

経営課題に合わせて課題の優先順位をつける

課題と未来の姿が揃ったら、経営課題に合わせて優先順位をつけていきます。

  • 売上を上げたいのか
  • 利益を上げたいのか
  • 新商品の販促を強めていきたいのか
  • 営業スキル向上
  • 新担当へのスムーズな引継ぎ

経営課題によって、優先順位が変わってきます。
経営課題と合わせることがポイントで、利益を上げたい場合は業務効率化が優先課題になりますし、売上を上げたい場合には顧客の管理などを強化して、商談の成功率を上げることが優先されるでしょう。

営業組織は会社の生命線でもあるので、経営幹部とのすり合わせが重要です。

書類管理や名刺管理などの取り組みやすいところから始める

課題に対して優先順位が決まったら、早速取り組みたいとなる気持ちは分かりますが、まずは営業DXを実際に経験するために、書類のクラウド管理や名刺管理などの取り組みやすいところから着手することをおすすめします。
営業支援ツールなどは、業務フローを変える必要があるので成果がみえるまで長い期間がかかりますし、営業DXとしての難易度も高いので、導入しやすいものから始めることでDXの経験値を上げていきましょう。

SFA導入やデータ活用に着手

取り組みやすいDXに着手したあとは、いよいよ、営業支援ツール(SFA)やマーケティングオートメーション(MA)ツールの導入に取り組みます。
さらに発展していくと、AIやデータ活用も視野にいれることができます。
営業の数字をAIでデータ分析して、顧客へのアプローチを提案してくれるような人とデジタルのハイブリッド組織へと進化することも可能となり、営業効率の向上が期待できます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
営業部門のDXについて、全体の流れを解説してきました。
営業部のDXを進めることで、売上や利益が上がり、会社全体の成長に直結する取り組みになります。

これから営業DXに着手する会社、営業DXに着手しているけど、なかなか成果が感じられない会社。様々な状況があるかと思いますが、ぜひ、この記事を参考に、諦めずに取り組みを継続してください。

この記事の著者

日淺 光博​

DX専門コンサルティングファーム・株式会社日淺代表取締役社長。DXコンサルタント。​2012年に起業。財団法人九州経済調査協会アドバイザー、三越伊勢丹グループ会社顧問などを歴任。​DXコンサルタントとして、直近2年間で50社以上のDXプロジェクトに関わり、現在に至る。​
著書に「難しいことはもういいんでDXがうまくいく方法だけ教えてください別ウィンドウで表示します」がある。​

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